或るワーキングマザーの日記

意識高い素敵なワーキングマザーには全然なれない。素敵な奥様なんてからきし無理。でもなんとかボチボチやってます。

眠れない夜に

先日の保育園のお迎えコールのあと、幸い子供の熱はすぐ下がったけれど、夜中に咳で起きて、今までになく苦しそうにしていた。と思ったらそのまま嘔吐。咳をする勢いで吐いてしまったみたいだけど、全然消化されていなかった晩御飯を見て、胃腸の調子も万全でなかったことを知る。

 

 それから一週間。回数はだいぶ減って来たけれど、まだまだ夜中に起きては咳をしている。これが、夜泣きの比ではなく目が醒める。子供が咳をしだしたら、さっと吐瀉物を受け止めるボウルをセットして、布団が汚れるのを防ぐ必要があるためだ。その俊敏な動作をしてしまうと、パッと目が冴えてしまい、その後子供が再び眠りについても、母はなかなか眠れなくなる。

 

 眠れない夜はいろんなことを考える。隣で眠る、私のお腹から出てきたとは思えないぐらい大きくなった小さな生き物のこと。私たち2人に(或いは夫を含む3人に)これから起こること、それから彼が1人で、或いは父母とは別の誰かと見る景色のこと。

 

深夜のセンチメンタリズムであれこれ考えているといつしかパイオニアボイジャーの事を考えてた。1970年代に宇宙を旅する為に作られた、4台の宇宙探査機。打ち上げられてから長い間、私たちにまだ見ぬ宇宙の事をたくさん教えてくれた。パイオニアはもう交信することも出来ない。私たちから宇宙の果てで出会う誰かの為のメッセージを乗せて、遠くへ旅し続ける、宇宙の広さに比べて小さな小さな探査機たち。

 

子供も同じ。私のお腹から生まれて、もうしばらくは地球から交信して彼の旅を見守ることが出来るけれど、きっとあっという間に大きくなって私の手の届かぬところへ冒険に出かけてしまう。親ができるのは、交信できるうちにそれから先の彼の旅が幸せなものになるように準備すること。いつかスイングバイで彼がぐんと加速できる様に、彼に合う素敵な航路を見つけてあげること。それからまだ見ぬ誰かへのメッセージを彼の中にそっと植えること。

 

そしてきっと、もうしばらくは彼が私の見たことなかった景色を私の元へ運んでくれるだろう。