或るワーキングマザーの日記

意識高い素敵なワーキングマザーには全然なれない。素敵な奥様なんてからきし無理。でもなんとかボチボチやってます。

小さな勇敢な人

うちの子供は赤ちゃんの頃から、規定量以上のミルクを飲んでもミルクの吐き戻しを全然しない強靭な胃の食いしん坊だ。

そんな彼がこの間咳をした勢いで吐いてしまった時に、すごく狼狽えて、「口から何か出た!」と叫んでいた。

 

嘔吐とかゲロとか吐くだとか、そういう語彙をまだ知らない3歳が未知の状況を伝える為に編み出した彼なりの表現。かわいい。

 

それから一週間ぐらい、咳をする度に「なんか出ちゃう?」って母に訊いては恐れていた。

 

こんな風に彼の世界には未知の事で溢れている。今まで経験したことのない、絵本でも見た事がなくて、言葉すらわからないことが次々と起こっている。

もちろんその大半は大人にとっては取るに足らないことだ。

でも彼にとっては真新しくて、どうやっていいか分からなくて、自分で出来るか不安な事だ。

 

だいたい、つい2年ほど前までご飯だって食べさせて貰っていたのだ。最初はこぼしてばかりだったスプーンとフォークも、いつしかだいぶこぼさなくなったけれど、それは彼のたゆまぬ努力の結果であり、それでもまだ多分大人が扱うように気安くは使えず(事実ヨーグルトはまだ、最後まで掬えない)、毎食それなりの緊張と集中をしているのだと思う。

遊んで疲れた日の夕食で、ぐずって母に食べさせて貰おうとするのも、仕方のない事な気がしてくる。

 

多分まだ身の回りの秩序についても完璧な理解はしていなくて、本人は同じ事をしているつもりだけど怒られる時と怒られない時の違いがわからないとか、そういう事もたくさんあると思う。(単に親の機嫌の事もある)

言葉だってまだまだ。理解も限られているし、表現も限られている。発音が悪くて通じない事もある。

 

それでも毎日、ご機嫌にしょうもないイタズラを思いついては「いい事考えた!」ってキラキラの笑顔で言いながら、チャレンジしてる。大体、失敗するか、親に怒られるかだけど。

 

偉い。偉すぎる。

 

 

 

どんな人にもコンフォートゾーンがある。コンフォートゾーンとは、安心できる場所、行動範囲。いつものルーチン。

 

コンフォートゾーンの外は、誰だってなんだか心細いし、居心地が悪い。失敗した時にかっこ悪いし、恥ずかしい。面倒。お金と時間がない。挑戦しない言い訳ならいくつだってある。そしてついつい繰り返しのルーチンな日々を過ごししまう。

 

今の彼のコンフォートゾーンはあまりに小さい。まだまだ出来ない事が多すぎて、普通に生活しているだけで、すぐにコンフォートゾーンからはみ出して、新しい事に挑戦せざるを得なくなっている。その上、毎日目をキラキラさせては、新しい事に挑戦したいと言ってくるのだ(大抵しょーもない事だけど)。

 

 そして事実、彼は、他の多くの子供と同じように、大人と比べると圧倒的な成長を遂げているわけで。

 

日々キラキラの笑顔でコンフォートゾーンの外で挑戦し、知恵を絞り続ける彼を尊敬する。いつも出来る筈の事が出来ない日があっても、心よくお休みにして甘えさせてあげよう。

 

そして、人付き合いの苦手な私に、彼が強制的に運んで来てくれる、コンフォートゾーンの外に出る機会を目一杯楽しもうじゃないか!お友達のママとのお付き合いとか。

 

 そしてそして、私も彼みたいに、自分からコンフォートゾーンの外に出て、新しい事に挑戦しよう。