或るワーキングマザーの日記

意識高い素敵なワーキングマザーには全然なれない。素敵な奥様なんてからきし無理。でもなんとかボチボチやってます。

電子レンジで危機一髪

休日の朝、洗面所で3歳の子供の保育園の上履きを洗っていると、誰もいないはずのキッチンから、電子レンジの扉を閉じた時に鳴る「ピッ」って音がかすかに聞こえた。

 

夫の姿を探すと、隣の部屋で布団に潜り込んでスマホで漫画を読んでいる。電子レンジの音に気づいたそぶりもなく。私が家事をしている間、子供を見ている事ぐらいはしてくれているだろうと期待していたのだけれど。

 

しかし夫に構う時間はない。電子レンジをいじったのは子供ということになるのだから!

 

慌てて駆けつけると、子供が「ピクニックするの。お弁当におにぎり入れて、公園で食べる。」と、電子レンジの前に置かれたダイニングチェアの上に乗ったまま答える。電子レンジの中には冷凍ご飯が入っている。

 

電子レンジは子供の手の届かない場所に置いてあるので、至近とはいえダイニングから自力で椅子を持ってきて、冷凍庫から出したご飯を電子レンジに入れたようだ。床にはお弁当箱と一口おにぎりの型が散乱していた。

 

 しかし、親が見ていない隙にあれこれ準備している子供の様子を想像するとかわいくて、こうなったら彼の熱意を受け入れるしかない。

 

諦めて、上履きにはもうしばらくバケツの中にいてもらうことにする。子供に危ないから電子レンジを使う時は親に言うよう教えて、おにぎりを作るべく電子レンジを操作して冷凍ご飯の解凍を始めた。

 

子供とこうしておにぎりを作ったり、何かを共に行うのは、人生の喜びと言っていいぐらいの幸せに満ちている。その気持ちに嘘はないけれど、母親は常に事故にならないよう子供を気にかけていないとならなくて、心が休まらない。例えば目を離した隙に電子レンジを使おうとする子供を止めるために。

 

子供の安全に気を配らずに漫画に集中してしまえる夫が、いい父親ぶれる世間に納得いかない気持ちになる日曜日。 

 

電子レンジの扉を閉じた時の電子音、ずっと五月蝿いだけで要らないと思っていたけれど、君のおかげで助かった。君は父親より有能だ。(やけくそ)