冬の日が暮れるのは早い。
いつまでも公園で遊んでいようとする息子に、帰ろうと交渉する。もちろん渋られたけれど、なんとか滑り台をあと10回滑ったら帰ることで合意してもらう。
じゅう....きゅう....はち
....
さーーん....にー.....
そうして、とうとうあと一回になった時、息子が突然言い出した。
「これは数字を壊しちゃうロボットだよ」
何のこと??
「5があると10にしちゃうんだよ」と言う。
「そうなんだ。そうしたら、3があると何になるの?」と訊くと、
「6だよ」
「そうなんだ。」y=2xだ。やるじゃないか。
「あと一回だから、1を入れると2になって、二回だよ」
なるほど。
「だから滑り台あと二回ね」
「まあいいよ。あと二回ね」どうせ一回しか増えてないし。
喜んだ息子は滑り台を滑り降りて、
母は叫ぶ。
「あといっかーーい!」
「また壊しちゃうロボットが二回にしたから、あと二回!」
えっ、だめだめだめ。それ無限ループ。永遠に帰れないやつじゃん。
「だめーーー。ロボットさんはもうおうちに帰りました!」
残念だが、そうは問屋が卸させないから!