香港人は民主化の夢を見るか
香港のデモが長引いている。
先週香港から来た同僚が無事帰った翌日、空港が閉鎖されたらしい。危なかった。彼女とその家族は香港では「外国人」だから、相対的に安全かな、と思いたいけれども。
この前の彼女とのランチ、後半の話題は、香港のことだった。
彼女によると、香港の議員70人のうち選挙で選ばれるのは30人。残り40人は大企業が選んで送り込むらしい。「企業だよ?企業」と彼女は言う。うん、民主主義国家育ちには、割と理解できないね。
香港の大企業は大抵中国と取引があるから、結果としてこの40人は親中路線になるって訳らしい。
長官も、彼女いわく「中国が指名する」(正確には、親中派しか候補になれないのかな?)ので、人々の不満が溜まっているのだそうだ。完全に中国に統合される予定の2048年に向けてどうなるか…と言っていた。
香港は、今はもう中国にとって経済的にはあまり価値がないらしいけれども、かつて中国で最も稼いでいたらしい(コレも彼女談)。香港の人たちは、国内相手の仕事だけをしていてもハッピーに暮らせる日本の東京より、ずっとインターナショナルな環境で、グローバルな視点を持って育ったのだ。他国の情勢も文化もウォッチしている彼らが、他の国にはある民主主義を求めるのは当然と思う。
少なくとも、私よりずっと世界に対する感度が良く、意識も高い彼らが、自分の国の政治に十分参加できない。そして私は、先人達の努力と地政学的な運の良さで参政権を持っている。
私はその権利を与えられるに資するか。もちろんどんな人にも与えられるのが民主主義だけれども、彼らと比べてしまうと、そこまでの覚悟を持って権利を行使しているか。
大切にしようと思った。彼らに恥じないように自分の頭で考えて判断しなければ。
中国のように、表現の自由のない国を、その国で法に触れる表現をするとどうなるか承知の上で、自由を手に入れる為に戦っている彼らを思うと、自分の持っているものの大きさに気がつく。
香港の人達が民主化を求めて行動するように、私も市民として矜恃をもって、いま手中にある権利を、自由を、守らないと。