或るワーキングマザーの日記

意識高い素敵なワーキングマザーには全然なれない。素敵な奥様なんてからきし無理。でもなんとかボチボチやってます。

圧倒的な数学センスのせいで、小学生の頃、先生が求める掛け算の順序で答えられなかった。

時々ネットで話題になる、掛け算の順序問題。

 
掛け算の順序問題とは

掛け算を記述するとき、

(1つ分の数)×(いくつ分)

  という順で式を記述しないと、誤答とする小学校の先生がいて、それが許されるかどうかというのが議論になるやつ。

 

私はこの場合、掛け算には交換法則が成り立つし、どちらの数を"1つ分"とするかは主観による(数学的な定義ではない)ので、どちらを先に書いてもよいとする派。

 

今4歳の息子が将来学校で順序が違うとして、テストでバツをもらってきたら、小学校の先生にどのような言い方で抗議するか今からいろいろイメトレしてる(←)

 

ところが、子どもの頃、この順序を求めてくる先生に当たったことがあった。

そのとき、どうしても先生が求める順番(正しい順番とは決して言わない…!)で式を書けなくて、苦労したのだけれど、少し大きくなった時幼い自分のルールの数学的意味が分かったとき、小学生だった自分の才能に感涙した(嘘)

 

掛け算に順序は…ある?

掛け算に順序はないというけれど、実は掛け算の"記述"には順序がある。

中学で習うそれは、以下のように、変数と定数(係数)なら定数を前に書かないといけない、というものである。

y =  3x

この場合3が定数(係数)であり、x(エックス)が変数になる。

なんでそうするか?と言われれば、その方がわかりやすい=人間にとって自然だからだと思う(詳しいところは知らない。自分で調べてくれ)。

 

掛け算の順序をチェックされたのは、小学校のときだったけれども、その時点で私はこの変数を後ろにする感覚を持っていた。まあ、もともと人間の自然な欲求によって決まった法則かも知れないから、皆持っているのかもしれない。

 

しかしこの感覚のせいで、私は先生が求める順番で式を書くことができなかった。

 

問題その1

先生は全員に一人3枚折り紙を配ります。たろうくんのクラスが30人の時、折り紙は何枚必要ですか?

例えば、この問題の場合、先生は一人3枚配ると決めている。

そして、たまたまクラスの人数が30人である。もしかしたら明日転校生が来るかもしれないし、じろうくんのクラスは29人かもしれないけれど、とりあえず先生は今たろうくんのクラスで折り紙が何枚必要か知りたいのだ。

となると、これはy=3xのx=30の時のy値が知りたいのである。xはじろうくんのクラスだと29になるし、転校生が来たら31になるけれど、今は30であり、変動を予感させる値である。つまり、一人あたりの折り紙の枚数が定数なのに対し、人数のほうが変数っぽいわけである。

 

となると私はきちんと、教師のもとめる、

3 × 30 =90

と式が書けるのである。ところが、

 

問題その2

たろうくんのクラスは30人です。折り紙を全員に配ったところ一人3枚になりました。折り紙の枚数はいくつでしたか?

この問題の場合、事前に一人に何枚配られるかはわかっていない。2枚かもしれないし、10枚かもしれなかった。でも配ってみると、たまたま3枚になったのである。

となると、これはy=30xのx=3の時のy値が知りたいのである。折り紙の枚数は事前に分かっていたわけではないが、クラスの人数は分かっていた。一人当たりの折り紙の枚数の方が、変動する値である。もし、クラスの人数が異なっていれば、一人あたりの折り紙の枚数もそれに伴って変動する。つまり、折り紙の枚数のほうが変数っぽいわけである。

 

そうなると小学校二年生の私はどうがんばっても、

30 × 3 = 90

としか式が書けなかったのである。

 

ここまで書いて、ふと気がついた。大人になると、掛け算の順番にこだわる派のフォーマットをよく見る場所があることに。

 

掛け算の順番が決まった世界

この「(1つ分の数)×(いくつ分)」の順番を必ず守っている世界が世の中にある。会計である。これらには必ず単価と個数が記述されていて、単価x個数って計算していると思う。(その割には請求書はなぜか、個数x単価の表記になっていることが多いけど)

 

 

つまり、算数とは数学の基礎ではなく会計学の基礎だったのだ!?

小学校で習う算数の大元を辿れば、それは江戸時代の寺子屋で習う、商いのために必要な技能としての「そろばん」から来ていると思えば納得である。

 

順序にこだわる派の先生方は数学の基礎としての算数ではなく、会計学の基礎としての算数を教えているのであろう。

 

だったら文書問題は全部見積りとか請求書にして、掛け算とか呼ばず、会計算とかにして欲しい。

 

そうしたら、将来私も学校にクレームを入れずに済むし。(←気が早すぎる)