或るワーキングマザーの日記

意識高い素敵なワーキングマザーには全然なれない。素敵な奥様なんてからきし無理。でもなんとかボチボチやってます。

パルスオキシメーターを買った話、その2

前回

busy-bee.hatenablog.com

Aliexpressをリサーチしまくって、なんならアメリカのFDAのサイトもリサーチして良さげなパルスオキシメーターを見つけて買った、そのお値段1300円。

 

もし万が一コロナにかかっても、いまならまず自宅療養となるだろう。自分や自分の家族がコロナに罹って悪化したとき、入院の交渉するためのエビデンスとして、SpO2値を使いたい。その命がかかったシュチュエーションを、1300円のパルスオキシメーターに託せるか。無理だね。壊れていてずっと高い値を示し続けたらどうしよう。って絶対不安になっちゃうよね。

 

それから、私が買ったのはSpO2と心拍数が出るだけのもの。より正確にデータを取得するためには、PI値という値が測れるものがよいらしい。PI値ってどうやって計測してるのか知らないけど、この値が大きいほどその測定の精度が高いので、この値が高くなるように装置を装着するよう試行錯誤すると良いっぽい。

 

よし、もう一台買う。今度はPIも測れるものを、別メーカーで別のお店から。全く違う二つのパルスオキシメーターの値が同じ傾向であれば、結果の値にそれなりの信頼性がでてくる。

 

そうなると、もう一台よさそうなやつを選ばなくてはならない。

 

論文を見つけた

探しているとこんな論文を見つけてしまった。

 

The Accuracy of 6 Inexpensive Pulse Oximeters Not Cleared by the Food and Drug Administration: The Possible Global Public Health Implications(高価でない6つのパルスオキシメーターの精度はFDAの基準を満たせない)

https://www.lifebox.org/wp-content/uploads/2016/06/The-Accuracy-of-6-Inexpensive-Pulse-Oximeters.pdf

 

 

この論文では50$以下で購入できる6つのパルスオキシメーターをテストした結果がまとめられている。FDAの基準を満たせない…ショッキングなタイトルにちょっと傷つく。まあ、FDAのデータベースを見ていると、501kの申請はザルじゃないかと思っていたから、FDAの501kを通っていても信頼できないという事実にあんまり驚きはないけれど。

 

 

実は前回買ったのはContec Medical Systemsという会社の製品なんだけれど、この論文でテストされた6つのパルスオキシメーターのうちの一つがこのContec社製なのである。

 

そして、なんとこのテストで、FDAの基準を満たした2つのパルスオキシメーターのうちの一つでもあるのである!やったー、すごい!結構信用できそうじゃん。

 

ただ、安易に安心できないのは、こういう安価な製品は特に、個体ごとのバラツキがあるってこと。1300円の機材に全数検査など望めない。この論文を書いた人が購入した個体が当たりだっただけの可能性は多いにある。私が運悪く不良品を引く可能性もある。命がかかっているのだから、もう一台買っておきたい。

 

この論文は2016年、コロナが発生するより前に書かれている。つまりここに載っているメーカーは、コロナ以前からパルスオキシメーターを製造していたそれなりに信頼できるメーカーというわけである。参考になる。というわけで、この論文で使われているパルスオキシメーターのメーカー公式ページとAliexpressの出品を探していくが、全然見当たらない。

 

唯一見つけられたのがShenzhen Jumper Medical Equipmentという会社。FDAのデータベースを調べても、コロナ以前からの登録が載っていたし、上の論文みても、3番目ぐらいには精度が信用できそうだったから、これをAliexpressで探してみる。なぜか、高い…Contecが1300円だったのに、これはPIが測れるモデルだと3000円ぐらいする。。。悩むぞ。(しかしContecにはPIが測れるモデルはないのであった)

 

諦めて日本メーカーを探して、運命の再会

悩んでいる間に、日本で日本メーカー製みたいな顔して売っている奴のOEM供給元で他に良さげなメーカーがみつけられないかな…と探す。マニュアルPDFとかをみても製造元のメーカーまで書いてあるものは少ない。ふと、とあるメーカーで一つだけBluetooth付きのモデルがあるパルスオキシメーターを見つける。お値段13800円。

 

Bluetooth付きってからにはデータ連携するアプリが必要なんだけれど、こんなITに縁がなさそうなメーカーにアプリ開発できるのかな…?製造だってOEMなのに?もしかして、OEM供給元のアプリでは?というわけで、そのモデルの公式ページから、Google Playストアに飛んでみる。あ、アプリの開発元がJumer Medicalって書いてある〜!

 

これは、もはや運命でしょ。Jumperのものを3000円で買うわ。日本で一万円以上で売られていると思うと、3000円が俄然お買い得に思えてくるから不思議。

 

Aliexpressで見つけたJumperのパルスオキシメーターはほとんどBluetooth付き。だけど、Bluetooth技適の問題がある。日本で電波を出して使うには、日本の法令に準拠しているという認証を取った機械でないといけないのだ。取得してない機械を使うのは電波法違反である。(まあ家で使ってる分にはまずバレないけど)面倒臭い。上の日本メーカーのラインナップにあるBluetooth無しモデルと同じ外観のものはAliexpressにはなさそうだし…

 

 悩みに悩んで、Bluetooth無しで、外観は違うものの、ディスプレイの表示が日本メーカーモデルと同じものを買いました。27$、約2800円。

 

(ここまで2200文字。説明長すぎ)

 

その後

購入してから毎日Aliexpressのページを覗いては、配達状況をチェックしている私。ある日、中国国内を配送されているのをみながら、ふと思った。この間の日本メーカー、メーカーの商品写真にもwebページにも技適番号なかったけど、Bluetooth技適ちゃんと取得しているのかな?

 

よーし検索しちゃうぞー。技適にはデータベースがあって検索できるようになっているのだ。まず日本メーカー名で技適番号を調べる。見つからない。日本メーカーが売っているモデル名で検索する。見つからない。え、私、電波法違反見つけちゃった?そんなまさか?

 

イチかバチかでJumperで調べる。

 

あ、あった〜!!!!しかも、Jumper製品の型番で掲載されている。技適はモデル毎にとる必要があるため、もし内部でなにか構成が違っていたら、別型番で取り直す必要がある。というわけで、この日本メーカーがbluetooth付きと称して売っているのが、Jumperのとある型番のものと全く同じであることが判明。

 

これなら、日本で堂々とBluetooth使えるし、あーーーーー!これを買えばよかった!!もうちょっと早く気がついていたら…残念。私としたことが技適のDBを調べなかったなんて、完全なる落ち度。

 

もし、もし、これからShenzhen Jumper Medical Equipment のパルスオキシメーターをAliexpressで買いたいという人がいたら、JPD-500Fってやつを買って私の無念を晴らしてください…どうか、お願いします…

 

尚ContecもJumperもまだ届いてないので、実際どんな感じかは全く不明だから、なにかあっても責任は取れません(←)

 

 

さらにおまけ: 上の論文について

論文のタイトルだけ見て、安いパルスオキシメーターって役立たないじゃんって思われると困るので、補足。

論文ではどのモデルでも、SpO2 90%-99%の間では比較的正確な値を示した事、こういった安価なパルスオキシメーターの精度を向上させることで、発展途上国などの医療の向上が期待できる事が書かれていて、完全にその存在を否定している訳ではないです。

コロナに罹った時に計測したいSpO2は90%以上だと思う(90切ったら流石に入院したいぞ)ので、役には立つはず。

 

ふー長かった。誰が最後まで読むの、こんな長い話?