君が望むすべてをあげたいのに
4歳になった。もちろん、私ではなく、私の息子が。
誕生日の次の週末、ケーキにロウソクを刺して、ハッピーバースデーを歌ったら、本当に嬉しそうな顔をしていた。
あまりに嬉しそうな顔なので、毎月一回ぐらいなら、ケーキにロウソクを刺してあげようか?毎月その笑顔が見たい。と思うけれど、誇らしげに自分の新しい歳を告げる顔を見ていると、ケーキやロウソクではなくて、1つ歳をとってお兄さんになった喜びがあればこそなんだろうな。
ああ、君の望むすべてを叶えてやりたいと思っていたのに、もう私の力では叶えられない望みを持つようになったのだ!そのうち、すぐ母の事なんて「ウザい」とか言い出すのだろう。
昨日生まれたばかりの気がするのに。そしてきっといつか、彼が友人関係に悩んだり、誰かに恋をしたりして、辛くても、母は大した力になれなくなるのだ。
きっとその日もあっという間に訪れるんだろう。寂しいな。そう思うと、ぐしゃぐしゃの顔で泣きながらお膝に乗ってくる君が一層愛しくなる。まだまだ甘えてくれる今を全力で楽しんで、記憶に刻みつけることにするよ。
だからもう少し甘えん坊でいてね。