昭和から変わらぬ子供と令和の教育的指導
息子がSwitchのマイクラにハマった。むしろ超熱心な勧誘と、手取り足取り懇切丁寧な指導によって、夫が、無理やり子供をマイクラ沼にはめたと言っても良い。
朝起きたら速攻Switchに突進して、保育園から帰ってきてもSwitchに噛り付いている。食事だの風呂だの生活の全てをやらせるのに、以前の10倍ぐらいの労力が必要になった。辛い。
辞めさせるのが本当に難しい。そもそもマイクラはゲーム的にきちんと終了しないと、死んで手持ちのアイテムを失ってしまう。なので親といえど昭和のようにプチンと終わらせるわけにいかないのである。さすがにそれは可哀想すぎてできない。となると、必死に説得するわけだけれど、全くと言っていいほど聞かない。まあ、私も子供の頃こんな感じだったけれども。
とうとう1日1時間で強制終了、つまりSwitchのペアレンタルコントロールによる制限が導入された。
しかし、コレで一件落着とはいかなかった。なぜなら、我が家には3X歳児がいるからである…
ええ、息子が1時間やった後、夫がマイクラを(ペアレンタルコントロールを解除して時間無制限で)やるのである。息子?食い入るように、画面見てますがな。
最初、夫がプレイしているのを見るだけで満足していた息子が、だんだん自分もやりたくなってきて、ご機嫌最悪になって「パパばっかりずるい!」って泣き出す。
5歳なんだから、当たり前や。(←突然の関西弁)
「パパは子供の時勉強いっぱいやったから、ゲームたくさんやっても良い」とかいう謎理論を夫が子供に言い出すので、(何言っとるんじゃ、エンジニアは一生勉強じゃ)と妻は「パパももうおしまいの時間だよ」と冷たく宣言する。
妻および母にゲームを止められた昭和と令和の少年たちは風呂に入っていった。
令和の教育的指導
お風呂から上がってくると、息子が体を拭きながら「ママ、ちょっといい?」と呼ぶ。
「ママ、こっちこっち。パパは来ないで」と母だけをリビングから寝室に連れて行く。
寝室に入ると、いつもは通るドアすべてが半開きの彼が、背後のドアをきっちり閉めて、おもむろにバスタオルを床に敷いて座り込む。お尻が直接床につかないように。なにせ、風呂上がりすっぽんぽんだから。
「ママもここにきて」と母を前にすわらせると、神妙な面持ちで、
「パパにゲームおしまいって言ったらダメ。いい?わかった?わかったならもうあっちのお部屋(リビングのこと)行っていいよ」
あ、これ俺、叱られている…!みんなの前で叱るな別室に呼び出せって言うビジネス書とかに書いてある、今風な叱られ方で、俺は夫にゲームをやめさせたのを叱られている…!
いやいや、それ、キミがもっとゲーム見ていたいだけじゃん。なんで母が諭されなければならないのか。息子の真面目な顔におかしくなって、笑いを噛み殺しながら、(後で子供のいないところで、夫と子供の前でゲームすることについて話し合わないといけない)と考えなから、神妙な面持ちで
「はい。わかりました」と答えた。
しかし、ウチは一人っ子なこともあって、こんな風に別室に呼び出して叱った事はない。ということは、保育園で学んだんだろうなぁ。
子供が大きくなってきて、母の知らない世界で学んだことを見せてくれる度に、こうやって手を離れて行くんだろうなぁ。と感慨深い。